お泊り

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  彼の唇が重なり、1回で満足したと思っていたアタシが、そうじゃない事を知る。   優しく触れてくる唇に、何度も触れたいと思っている自分に少し驚いた。     今までの男は、ガツガツしていたからなのか。それともアタシが特別興味を持たなかったからなのか……。   アタシの中では初めて経験するキスだった。     全然嫌じゃない。     静かに唇を離した彼を見つめると、何?、という顔をした。     「もう1回」   「ん? キスだけじゃ終わらなくなるぞ?」     そうか、そうだよね。このままだとその続きがあるよね。     いったいこの人はどんなエッチをするんだろう?     知りたいのと、取り敢えず今日はキスだけでいいやと思うのと、半々の気持ちを抱えていた。   しかし、少しだけ知りたい方の気持ちが大きかったみたい。     「じゃ、お風呂に入ってからだね」   「はははっ。する気満々だ」   「だって、知りたいもん……」   「よし、教えてやろう。そこらの若造と違うから覚悟しておけ」     あ、やだ……。   キュンてしちゃった。   これまた陽子と違うじゃん。『エッチしよう?』『キュン』じゃないんですけど、いいんでしょうか?  
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