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結局ご飯を炊いて、アタシは目玉焼きと、冷蔵庫にあったウインナーを焼いただけ。彼が味噌汁を作り、野菜を炒め朝食が出来た。
「やっぱり日本人はご飯だ」
そう言う彼とアタシの父親が重なった。
父は勿論、彼よりも年上で、腹も出ているオッサンだ。
父もご飯が大好き。パンはおやつの部類に入るらしい。
「真ちゃん、パンは食べない人?」
「アレはおやつだろ」
彼は父と同じカテゴリーにいるらしい。
朝食を済ませ片付けた後は、読書の時間。
せっかく天気がいいのだから何処かに行こうと言うと、休日は休むためにあるんだ、と腰を上げない彼にアタシが付き合う形になった。
元々、此処には無かったのだろうと思われる棚がリビングの壁面に作り付けられていて、天井近くまで本が並んでいて、そこだけ見ると本屋さんのように見える。
そこから1冊取り出して床に転がり読む。
面白くて、時間の経つのも忘れ読み進めているうちに、窓の外には夕日が見えていた。
「キリのいいとこまで読んだら何処か出掛けてくるか?」
「何処に?」
「散歩」
散歩って……。
なんか、ますますアタシの父親に近い……。
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