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アタシは駅前にいた。
駅前の広場にある噴水の前で、どっちの方向から来るだろうと、右手にある駅前交番の方向に目をやると、歩いてくる陽子を見つけた。
「陽子っ!」
近付いてきた彼女の名を呼ぶと、顔をあげアタシに気付いて手を振った。
先週、陽子から電話がきた。
一緒にご飯食べようよ、と言ってきた。
陽子の誘いにOKの返事をしながら、何か報告があると読んだ。
藍子とも連絡を取り、場所を決めた。
たまには女3人で飲みたいという事になり、場所は居酒屋にした。
アタシ達は飲むだけじゃ無く、食べる事も楽しみたいもんで、そうなると大概は居酒屋に決まる。
陽子はお見合いをして、かれこれ3か月が過ぎていた。
きっと彼女は結婚を決めたんだろう。
交際も順調に進んでいる事は聞いているから、この先はソレしかない。
「ごめん、待たせちゃったね」
「ううん、アタシもちょっと前に着いたとこだから」
あとは藍子がやって来れば居酒屋に直行だ。
「お待たせーっ!」
アタシ達ふたりがお喋りしていると藍子が息を切らせて現れた。
仕事が押したと言い、さぁ行こう、と藍子が歩き出す。
アタシと陽子も並んで歩き出した。
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