Act.1 館の主

30/42

1892人が本棚に入れています
本棚に追加
/795ページ
 耳に直接伝わる熱がそこから全身に広がる。  太ももに触れていた手も動きが再開され、背筋を通して体を僅かな電流が駆け巡った。  もう、限界だった。  得体の知れない感覚への恐怖。  男と女の力の差。  正式な婚約者になるために宗也の言うなりにならなければならない事実。  その全てに堪えられなくなった。  いや……。  いくらなんでも、こんな形で乙女じゃなくなるなんて……。  いくら復讐のために必要なのだとしても、この状況だけは我慢出来なかった。  だから、私は――。  
/795ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1892人が本棚に入れています
本棚に追加