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バキィ!
気が付くと、宗也の形のいい顎を拳で殴り上げていた……。
「うぐぅっ!?」
さっきの美しく低い声と同じとは思えないようなうめき声が同じ口から出てくる。
体勢が悪かったからそんなには効かないと思ったけど、思っていたよりは効いたみたい。
私を抱きしめていた腕が緩み、その中から脱出することが出来た。
護身術代わりに空手習ってて良かった……。
三年前から祖父に無理矢理習わされていた空手だけど、初めて実際に役に立った。
「お前っ……!?」
宗谷の腕から逃げ出しホッとしていると、片手で顎を押さえながら彼は私を睨んだ。
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