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今すぐに泣き叫びながら宗也を殴り倒したい。
片方の腕は自由だから無理なことではない。
けれど、やっぱり殴るわけにはいかないから拳を握るに留めている。
でも、腕を掴んでいた宗也の手が胸を鷲掴んだ瞬間、私の理性はプツンと切れた。
もう、我慢できるかぁ!!
そして殴ろうと拳に力を入れた次の瞬間――。
メェヘェェ
メェヘェェ
と、辺りにヤギと思われる鳴き声が響いた。
は?
へ?
ヤギ?
近くにいるの?
でも近くにそんな気配は感じない。
どうして?
どこから聞こえてくるの?
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