Act.1 館の主

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「はいはい。分かったよ、連れて行きゃーいいんだろ? じゃーな」  ぶっきらぼうに言い捨てて、宗也は電話を切った。  携帯をまた後ろポケットにしまいながらため息をつく。  そして私のほうに向き直ったかと思うと、無言で腕を掴まれる。  何!?  まさかさっきの続きとか言わないわよね!? 「ちょっ、離して!」 「うるせぇな……」  また何かされやしないかと暴れると、宗也は面倒くさそうに呟いた。 「どうせ迷ってたんだろ? 目的地に連れてってやるよ。……なんか萎えたし」  最後の言葉がちょっと引っかかるけど、そこはあえて何も聞かないことにする。
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