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見なくても声だけで分かる。
きっと楽しそうに、面白いものを見つけたような顔をしてるんだ。
「やっぱりお前、抱きてぇ」
はい?
真っ赤な顔が驚愕の表情になるほどの言葉を吐かれ、私は目を瞠(みは)って宗也を見た。
「じゃじゃ馬を手懐けるのも楽しそうだしな。今はもうソノ気はねぇけど……まあ、これから時間はたっぷりある」
そう言った宗也は、掴んでいた私の腕を持ち上げ、手首の内側の辺りにキスを落とす。
宗也の綺麗な顔の所為か、その行為は一瞬だけ神聖なもののように見えた。
まあ、すぐにそれもまやかしだと思い知ったけど……。
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