Act.2 婚約者候補

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「ババア、その呼び方止めろって言ってるだろ!?」  呼ばれた宗也は、見なくても分かるほど不機嫌な声で女性に突っかかる。  でも、女性は怯むことなくしれっと言い捨てた。 「私にとって坊ちゃまはいつまでも坊ちゃまです。さあ、行きますよ」  そして何事も無かったかのように、彼女は背筋を伸ばして館の中へと入って行く。  私は慌てて後を追い、宗也も渋々ながら着いて来る。  館の中は入ってすぐのところがエントランスになっていた。  目の前には赤い絨毯が敷かれた階段。  天井を見上げると、かなり値が張ると思われるシャンデリアがつるされている。  
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