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呆けた表情でシャンデリアを見上げていると、前を向いたままの女性にピシャリと叱られた。
「余所見をしているとまた迷いますよ?」
「あ、はい! すみません!」
私は反射的に謝り、また歩き出した彼女に着いて行く。
そんな私の後ろから宗也も無言で着いて来た。
あれ?
でもちょっと待って?
裾の長いスカートを滑らせながら歩く女性の背を見て疑問に思う。
この人、私のほう見たっけ?
ううん、一度もこっち見てないよね?
なのにわたしが余所見してるのが分かったの?
この人何者!?
後ろにも目がついてたりしないわよね!?
そんなこと有りはしないのは分かっていたけど、ついつい不審な目で見てしまう。
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