Act.2 婚約者候補

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 そんな愕然とした思いで突っ立っていると、左側のハツラツとした少女が不機嫌そうなのを隠そうともせずに私に言い放った。 「アンタ、遅刻してきたクセに謝罪の言葉もないんか? 散々ウチら待たせといて」 「え? あ、いえ!」  か、関西弁!?  今まで私の周りで関西弁を使う人はいなかったので、変に驚いてしまった。  生で聞くのも初めてでちょっと感動してしまう。  でも今はそれどころじゃない。  ちゃんと謝らないと。 「その、お待たせしてしまってすみませんでした」  そう言って礼儀正しく頭を下げた。  するとまた不機嫌な関西弁に突っ込まれる。
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