Act.2 婚約者候補

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「それだけなんか?」 「え?」  聞き返しつつ頭を少し上げ関西弁少女を見ると、彼女は立ち上がって私に片方の手のひらを突き出していた。 「謝罪すんなら他にも何かあるやろ?」 「え? 他にって……?」  聞き返すと、「アカンなー」と大仰にため息をつかれる。 「金や金! 謝罪の気持ちを金額で表してもらわんとなぁ」 「……は?」  私は思わず眉間にシワを寄せ、信じられない面持ちで手の平をちょいちょいと動かす少女を見ていた。  そのまま固まってしまう。 「っぷっ! 沙耶香(サヤカ)ちゃん面白ーい」  一部始終を見ていた右側の可愛い女の子が噴き出し、ケラケラと可愛らしく笑っていた。
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