Act.2 婚約者候補

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   こっ、怖い……。  女の戦いは、男と違ってねちっこい。  この特有の争いは、その場の雰囲気をも一気に修羅場に変える。  私も女だからそういう部分あると思うけど……。  でも、出来るならこういう争いはしたくない。  空手を習っていることもあって、少しは格闘家精神が身についている私はそう思った。  二人の間にはまだ混沌とした雰囲気が漂っていて……私は怖くて少し後退りする。  それほどまでの二人の間に平然と居座っている美女には尊敬の念さえ覚えてしまう。  そんな状況の中、後ろから宗也が入ってきた気配を感じて私は首だけ後ろに向けた。  彼は部屋の中の雰囲気を気にも留めず、私達婚約者候補を一通り見て一言。
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