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確かにあの天使のような声の後では話し辛い。
麻李藻さん、可哀想……。
と思いながら、私は密かにそれが自分ではなかったことに安堵していた。
だって、私の声は綺麗でも何でもない上に、女にしては少し低めの声だ。
可愛らしくすらない。
だからごめん、麻李藻さん!
心の中でのみ謝罪をし、私も自己紹介を始めた。
他の三人とは違い、睨むようにしっかりと宗也の目を見る。
こんな男御免こうむりたいけど、宗孝に近付くためには……復讐を遂げるためには、宗也の心を私に向かせなくちゃならない。
まずはそれからだ。
そう決意をし、私は口を開く。
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