Act.29 約束

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「ほら、あーや?」 「え、ぅえぇ!?」  理解しても現状は変わらない。  宗也は色っぽく目を細めて顔を近づけてくる。  そして数㎝のところで止まる。 「キスしてくれないと、もう一生この部屋から出してやらないぞ?」  その近さで話されると、唇に息がかかる。  恥ずかしい。 「誰の目にも留まらないように閉じ込めて、お前の世界を俺だけにしてしまうぞ?」  冗談のような言葉。  でもその目が、半分くらいは本気で思っているように思わせた。  狂気じみた愛情だけど、少し嬉しいと思っている私は本当に宗也にぞっこんなんだろう。  私は躊躇いながらも頭を上げて宗也の唇に自分のそれを合わせた。
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