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プロローグ
車の窓の外を新緑の葉をつけた木々が通り過ぎていく。
途中で鳥のようなものも見えたけど、過ぎる速度が速くてはっきりとしない。
それに私には、それをわざわざ気にする余裕も無かった。
ここからは見えない運転席の方向を見る。
運転席には、先ほど家までこの黒塗りの高級車で迎えに来てくれた老紳士がいるはずだ。
16年間生きてきてこんな車乗ったことなんて一度もない。
車内は常に良音のクラシックが流れているし、目の前にあるテーブルにはグラスと何だか高そうな飲み物が固定して置かれている。
これ、お酒じゃないよね?
とは思うものの、確認するつもりはなかった。
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