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「…だから、僕は護られる必要性は無いって言ったんです。でも一応先輩ですし、入れと言うなら入りますけど」
1度シャワーの音が止まり、シュコシュコと泡を立てる音。
明が葛藤する間に、愛季は体を洗いにかかったようだ。
「…ボクは…」
「はい?」
「ボクは、入ってほしいなっ!」
思いの外大きな自らの声に、明は右手を口に当てた。
時刻は深夜。
あまり大きな声を出しては、周りのルームメイトを起こしてしまう。
「そんなに焦らなくても」
「笑わないでよ~」
扉の向こうから聞こえるクスクスという笑い声に、明もつい微笑んでしまう。
思えば、笑い声を聞いたのは初めてかもしれない。
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