第四話 土屋の欠席

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「……なん…で?」 土屋が小さくそうこぼした。 殴り倒して、さよならを言った手前、“心配になった”とは口が裂けても言えなかった。 俺は、土屋から顔を背けて黙秘を試みる。 「…上着……」 「……え?」 「貸してくれてありがとう…」 土屋のいきなりの言葉に、俺は返事を返せなかった。 しばらくの沈黙のあと、土屋はゆっくり立ち上がって、俺の方を見た。 「な、なんだよ…?」 「……何でもない。」 土屋はそれだけ言うと、俺の横を通り過ぎ、体育館裏から離れていった。 「…なんか、調子狂う……」
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