第一話 関係

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さっきまで無理矢理抱いてた俺を見つめる土屋の目は、どこか寂しそうだった。 俺を初めて犯した時は、どこか優越感に浸っているように見えたが、最近はそれがない。 土屋に抱かれる生活は今日で1ヶ月目になる。その間、俺は学校に行っていないし、家にも帰ってない。 土屋のつらそうな顔は、三週間くらい前から見るようになった。 湯船につかりながら、ボーッと天井を見ている俺に、服を着たまま浴槽の外にいる土屋が話しかけてきた。 「なぁ、日高…。俺……、やっぱ…やめた。あがりたくなったら呼べ。」 「…………」 土屋は何か言いかけてやめ、そのまま風呂場を出て行った。 俺は、ボーッとしたまま、土屋の出て行って閉まったドアを眺めていた。
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