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全く持って私は不幸だ――。
周囲を不良に囲まれ、私はつくづくそう思う。
何故、このような状況になってしまったのか、と言われたら、私の隣で腕時計でしきりに時間を気にしている、幼馴染の所為以外の何物でもない。
この幼馴染は、いわゆる「オタク」なのだ。
そして、現在の居場所は秋葉原の人気のない裏通り。
つまり、現在私たちはオタク狩りと言うものに遭遇している事になる。
ちなみに言えば、私自身にそんな趣味は、まったく無い。
ただ単にこのオタクに付き合わされているだけである。
災難極まりない。
「少し急いでくれないかな。限定フィギュアの発売時間に、間に合わないじゃないか」
この馬鹿は火に油を注ぐような真似をするよまったく。
私は彼の隣で呆れかえっていた。
勿論相手はその言葉に反応しない訳が無い。
「んだと、ゴルァ!ちっと痛い目を見ないとわかんねぇみてぇだなぁ」
頭を金髪に染めあげ、明らかに不良と分かる男がそう言う。
あぁ……止めたらいいのにな。
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