クラスメイト

2/27
4272人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
二学年の一学期もあと僅かとなった。 期末テストも終了して、後は終業式を待つだけの日々である。 そんな私には今とても気になっている事がある。 因みにそれは湊谷の事では無い。 湊谷の事は常に私の頭を悩ませているから、最早持病のようなものである。 私が気にしている事と言うのは、クラスメイトの事だ。 聖奈は何時も通りだし、東也はいつも忙しそうだ。 湊谷は……言うまでもないだろう。 そのクラスメイトは女子生徒だ。 実は彼女、ここ最近休みがちなのだ。 しかも、なんかけがをしているみたいで、常に体に包帯が巻いてる。 性格は非常にクール、と言った方がいいのかしら? 彼女は誰とも会話をしようとしないし、常に一人でいる。 それに常に近寄りがたい空気を纏っているのだ。 全て自分一人で解決してしまうような少女。 成績もかなり良く、期末テストはかなりの上位に食い込んでいた。 「何見てるんだい美結?」 バカが私に話しかけてくる。 「ああ、小此木千百合を見てたのか……。まさか……!」 何かよからぬ事を思いついたわね。 はりせん準備。 「まさか禁断の百合――」 「死んでろドカス!」 はりせんを振り下ろした。 小気味のいい音が響くと湊谷のぐへっ、という声が聞こえる。 「百合は罪じゃ……」 「まだ言うかぁ!」 右アッパー! 「ギャン!」 吹き飛ぶ湊谷。 「何で私が百合になんないといけないのよ。正常よ私は」 「いやいや、俺が毎晩誘っても揺れ無い所を見ると……」 「お前に抱かれる女って何なの? 二次元の空想でしょ?」 「ひどいなあ、美結は。これでも昔は居たんだよ?」 「はいはい、妄想ですよね」 「別に妄想じゃないのに……」 「じゃあ、ゲームね」 「何でそう断言するのかな!」 涙目になって言うオタク。そりゃ、あんたがオタクだからでしょ。 しかも漫画に出て来るような典型的な。
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!