プロローグ

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うん、気のせい気のせい。 空耳だって。聞こえている筈が無いじゃない。 暫く、ひどい空耳が続くと、歌が中途半端な所で終わった。 私は視線を元の場所に戻すと、そこには満面の笑みを浮かべた、幼馴染が立っていた。 「さ、早く次いこ」 そう言って私の手を引いて、足早にその場から立ち去る。 背後からは何やら呻き声らしきものが聞こえてくる。 うん! きっとこれも空耳だ。 私は現実逃避をしながら、彼に引き摺られてフィギュアの販売場所へと向かった。 ほんとになんでこんな事をしているんだろ?
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