パーティって華やかな感じだけど、やっぱり面倒事らしい

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翌日、私は何時も通りに起床した。 時刻は六時少し前だ。うん、中々良い時間だ。 まだ完全に昇りきっていない朝日が、カーテンを照らしている。 まだ眠気の覚めない目をこすりながら、カーテンを開く。 「曇天の道を、傘を忘れて歩く彼女は――」 窓を開けると、冷たい夜明けの風が肌をなでると同時に、軽快なアニメソングが私の耳に入ってくる。 そのリズムに合わせて、蹴りや拳を空中に放つ。その動きはもう、なんていうかアニメのオープニングを彷彿とさせるわね。 おい、今日はめちゃくちゃ晴天だ。曇天な訳が無いだろう。 まあ私の心はあんたの所為でいつでも曇天だけどね。 私は自分の部屋に備え付けてある小型の冷蔵庫から、スポーツ飲料水を取り出すと朝から修行にはげむ馬鹿に投げて渡す。 湊谷は見事な反応速度でそれを回転しながら左腕で取ると、私の方に向けて指で銃を作り向ける。 その動作のなんと早い事か。 常人の私には全く、見えなかったわ。いや真面目に。 「毎朝、精が出るわね」
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