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荷受け場からトラック駐車スペースは緩い傾斜になっていた。 駐車スペース中頃で取り着き、全体重を後ろに掛ける。 「……っく!!……誰…かぁ…」 総重量400kgを越えるカゴ車はたかだか女一人の力で止められる訳も無く、歩道が目の前に迫っていた。 歩道は車両乗り入れのために傾斜がキツくなり、縁石の段差は少ないものの車道に出ては更に大事になる。 通行量は少ないものの、一台こちらに向かってくる姿が見えていた。 無理を承知で力を込める。 「…やぁああああぁぁ……!!」 ……どこかで、何かが裂ける感じがした。 加速は止まらず、歩道の境の排水溝に差し掛かった。  
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