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排水溝のフタを車輪が乗り越える。 もうダメか…… 諦めかけた時、ガクン、と言う衝撃と共にカゴ車は動きを止めた。 目の前にカゴ車のフレームを掴む武骨で大きな手があった。 急いで私は車輪のストッパーを掛ける。 「……坂田さん………助かったぁ…」 助けてくれたのは内線で話をしていた農産主任・坂田だった。 学生時代は柔道をしていたという大男である。 坂田がカゴ車の反対側に回る。 「よし!!岩崎さん、良いよ!!」 号令でストッパーを外し、二人掛かりでカゴ車を搬入口へ入れると、今度は動き出さないようにしっかりとストッパーをかけた。  
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