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翌朝、目が覚めると看護師がベッド側に寄って来た。 ミユキでは無い。 「おはようございます岩崎さん。起きられそうですか?」 余程動けない状態でなければエコノミー症候群防止のために歩かされるのだ。 「ちょっと、やってみます」 一年前の感覚を思い出す。 ベッドの上体を起こし、柵を掴んで、足を畳む。 「行けるかも…………邪魔なの外して……」 排尿バックを外して貰い、もう一度チャレンジする。 静かにベッドの縁に足を降ろしてベッドを下げる。 ……立てた。 貧血で目まいがあったものの、ソロソロと歩ける。 「じゃ、そのまま個室に移動してもらおうかな?」 看護師の言葉に笑いながら 「鬼~~」と返し、点滴を連れて個室へ向かった。  
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