佑希

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佑希

九年前の午後… 天から舞い降りた 私の天使 つぶらな瞳 こぼれる様な笑顔 私を求める小さな手 なにもかもが愛おしい 八年前の朝… あなたは自分の足で 歩き始めた 一歩 また一歩 七年前の午後… 可愛い声で 歌い始めた 六年前… 三輪車に乗る 前に進むまでが大変だった 五年前… ブカブカの帽子 ブカブカの園服 大きな鞄 あなたは保育園生 四年前… 小さいお友達の手を引き 入園式のお手伝い 凜とした背中が 大きいお姉さんの証 三年前… ピカピカのランドセル 大きくて重かったね おすましの顔して あなたは記念写真におさまった 二年前… 私といる時間が 友達との時間に変わっていく 私をみつめていた瞳が 虫や花や友達を見つめ 私に笑いかけてた笑顔が 私だけの笑顔じゃなくなり 私をさがしていた手が ほかの手を求める そして今… あなたはすでに ひとりで人生に 向き合いはじめている どうかそのまま しっかり足を踏ん張り 前だけを見つめて 歩いていってほしい 後ろから ちゃんと私の大きな手で守ってあげるから
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