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六月某日
天気は晴れ、所により曇。
その日残業を終わらせた雫は独り静かに帰路に着いていた。
『明日からまた忙しくなる』
そう考えるだけで気が滅入りそう。
本州みたいに梅雨が無いだけマシだと自分を励まし歩幅を広げる。
とその時、雲行きが怪しくなってきた。
急ごうと歩みを早めた瞬間突然の大雨が雫を濡らす。
天気予報では曇だと言っていたがはずれてしまったようだ。
「最悪だぁ!」
彼女がどんなに叫んでも雨音に掻き消されてしまう。
しかたなく小走りで家まで向かうことにした・・・が。
あと数分でエントランスに入れる位置に来たとき、視界の隅に何かが視えた。
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