雨の日の出会い

2/5
前へ
/9ページ
次へ
六月某日 天気は晴れ、所により曇。 その日残業を終わらせた雫は独り静かに帰路に着いていた。 『明日からまた忙しくなる』 そう考えるだけで気が滅入りそう。 本州みたいに梅雨が無いだけマシだと自分を励まし歩幅を広げる。 とその時、雲行きが怪しくなってきた。 急ごうと歩みを早めた瞬間突然の大雨が雫を濡らす。 天気予報では曇だと言っていたがはずれてしまったようだ。 「最悪だぁ!」 彼女がどんなに叫んでも雨音に掻き消されてしまう。 しかたなく小走りで家まで向かうことにした・・・が。 あと数分でエントランスに入れる位置に来たとき、視界の隅に何かが視えた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加