予兆

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鴉と同居し始めて2週間が経った。 この数日で分かった事は好き嫌いがほとんどないと言う事。 動物が大好きだと言う事。 人見知りが激しい事。 雫の事は好いているらしいが他の人には近づこうとしない。 そして異常に独りになるのを嫌がる。 仕事だからと言い聞かせても哀しげな表情を見せる鴉。 1分1秒でも鴉と一緒に居たい雫は飲み会も友達の誘いも断って仕事が終わると真っすぐ家に帰る日々を送っていた。 「あたしが合コン?」 「そうそう。雫彼氏いないじゃん。 だから出会いのきっかけ作ってあげようと思って」 確かに鴉は彼氏ではないし一緒に住んでいることは誰にも話していない。 だけど、独りにさせるのは絶対に嫌だ。 「でもあたし彼氏とか興味ないから今回はパス」 「ねぇ雫、あんた最近付き合い悪いよ?」 そこまで言われてしまうと逆に罪悪感がのしかかってくる。 雫は渋々誘いに乗ることにした。
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