予兆

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合コンに行く前に鴉に連絡入れないとなぁ。 そんな雫の思考は友人の発言で無に帰す事となる。 「ほら、早く行かなきゃ相手待ちくたびれちゃうよ?」 「え?今から行くの・・・?」 当たり前じゃないと速答されると返す言葉もない。 鴉に連絡を入れたいと遠回しに伝えたのだが願いは叶わず。 結局鴉は年下の彼氏と勘違いされ、合コンが終わったら雫の家に寄って帰ると言い出す始末。 『口は災いのもと』 そんな言葉が雫の頭をよぎった。 久々の合コンで何を食べたり話したかは全然覚えてない。 頭の中は独りで自分を待つ鴉の事ばかり。 早く帰って安心させてあげたい、その一心で解散の時を待っていた。 微かな胸騒ぎに言いようのない不安を覚えながら。 日付が変わる前に解散を言い渡され一目散にその場を離れようとした雫。 その時、先程の友人が絡んできた。 「ね~え、雫ちゃん。 噂の彼に会わせてくれるんでしょお?」 酒が回っているのか舌足らずな喋り方になっている。 この友人の発言がきっかけで雫は同僚達と帰路につく事になってしまった。 心搏数と比例して不安が破裂しそうなくらい膨張しているというのに。
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