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「ぐずっ…」
『ねぇ、何で泣いてるの?』
テニスコートの隅で、座り込みながら泣いている男の子にあたしは、問いかけた。
「…ッ、みんな僕のことを、からかうんだ…グズ…。い、一生懸命がんばってるのに…オキラクちゃんって…フェっ」
ゆっくりとぐずりながら、答える男の子。
『…なんてゆぅの?』
「えっ!?」
『だから、名前なんてゆぅの?』
少し、強気でいってみせると男の子は少し照れながら
「き…季楽靖幸…」
『あぁあ!!だから、オキラクちゃんかぁ。』
クスッと笑ってみせると、シュンと下を向く男の子。
「やす…。今日からあんたは、やす。靖幸だからやす。わかった?」
勝手に言うと男の子は少し考えて
「…ネ、ネーミングセンスないね…」
『…ぢゃぁ、あたしもオキラクちゃんって呼ぶ…』
これがあたしたちの出会いだった……
変わらないもの
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