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──次の日──
『……』
いつも思うけど、男テニの会場って広い。
迷う……。
とゆうか…
『迷った…』
はぁ、ついてない。
そんな事を思いながらも、奥へ進んでいくと
「キミ達の夢って何かなぁ?」
かわいらしい質問が聞こえてきた。
でも、返ってきた答えは
「…一斗くん、あんな事言っちゃってるケド」
「いい年こいて、マジでそんな事聞くなよ」
「ああ…、アレでいーや何?全国制覇ってやつ」……やす……
「もーいいかな?一応壁打ち練習やっとかないと、コーチがうるさいから」
そう言われて、質問してた可愛らしい子がいらつきながら去っていった。
すぐさま、ラッケトを準備しているやす達に近づく。
『…ねぇ』
「おせーべ。どごいってだんだ?」
『…やぁ、迷子に…』
みんなの冷たい視線が突き刺さる。
そんな、沈黙がいやで、さっき言い掛けたことを言う。
『ね、ねぇ、さっきのなに?』
「…さっきのって?」
一斗がめんどくさそうにまたしゃがみ込みながらあたしに聞く。
『だからさっきのだよ。「「ああ…、アレでいーや何?全国制覇ってやつ」」だよ』
少し、やすみたくすかした感じで言ってみる。
「ちょっと似てるじゃん」
『うっさい。バカ拓馬』
「…別に夢とかどうでもいいだろ。」
……。
何でだろ。
このやすの一言が、どこか寂しく思えた。
『やっぱり…、やすは変わったよ…。』
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