👑変わらないもの

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──次の日── 『……』 いつも思うけど、男テニの会場って広い。 迷う……。 とゆうか… 『迷った…』 はぁ、ついてない。 そんな事を思いながらも、奥へ進んでいくと 「キミ達の夢って何かなぁ?」 かわいらしい質問が聞こえてきた。 でも、返ってきた答えは 「…一斗くん、あんな事言っちゃってるケド」 「いい年こいて、マジでそんな事聞くなよ」 「ああ…、アレでいーや何?全国制覇ってやつ」……やす…… 「もーいいかな?一応壁打ち練習やっとかないと、コーチがうるさいから」 そう言われて、質問してた可愛らしい子がいらつきながら去っていった。 すぐさま、ラッケトを準備しているやす達に近づく。 『…ねぇ』 「おせーべ。どごいってだんだ?」 『…やぁ、迷子に…』 みんなの冷たい視線が突き刺さる。 そんな、沈黙がいやで、さっき言い掛けたことを言う。 『ね、ねぇ、さっきのなに?』 「…さっきのって?」 一斗がめんどくさそうにまたしゃがみ込みながらあたしに聞く。 『だからさっきのだよ。「「ああ…、アレでいーや何?全国制覇ってやつ」」だよ』 少し、やすみたくすかした感じで言ってみる。 「ちょっと似てるじゃん」 『うっさい。バカ拓馬』 「…別に夢とかどうでもいいだろ。」 ……。 何でだろ。 このやすの一言が、どこか寂しく思えた。 『やっぱり…、やすは変わったよ…。』
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