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「ハイ!!」
さっきより、ボールが早い。
青学の男の子もすごい…。
あの、やす相手に…。
だんだんヒートアップしてくる試合に周りが騒ぎ始める。
やすのお父さんや、他のコーチまで騒ぎ出す。
「ハイ!!」
…やすのあのかけ声好きだなぁ。
はっ!!
何て惚気てる場合じゃない。
「ハイ!!」
パシィ
カッ
ネットにボールが当たる
「よしっ。ネットインだ!!」
ダダッ
青学ちゃんが素早く走り出す。
…嘘、ボールに届いた
『!!!』
しかも、やすと同じ…
『…ネット…イン』
やすを見れば汗をたくさんかいていた。
青学ちゃんはビシッとラケットを前に出し
「汗だくじゃん」
やす……
「キャ───ッリョーマ様ステキ─ッ!!」
「「おおおっ──!!!」」
試合はヒートアップ。
完全にリョーマと呼ばれた子に押され始めた。
やすはひたすら、汗をかきながらボールを追いかける。
幼い日々のあの頃のように……
「「ねぇ、比奈ちゃん。もし今度の試合僕が勝ったら…」」
ッ!!!
なに今更昔のこと思い出してるんだよ。
やす…ガンバって…ねぇ…やす…
「「比奈ちゃんだけは、何があっても僕の応援してね。比奈ちゃんの応援があれば、絶対勝てる気がするんだ!!!」」
まただ…。
幼い頃のやすがはにかみながらあたしに告げる。
なんでだろ…
でも…
『~~やすっ!!ガンバってぇ────!!!』
フェンスから頭だけじゃなく身を思いっきり乗り出して叫ぶと少しびっくりした顔をする。
そして、また試合に集中し始める。
その横顔が少し微笑んでる気がした…。
長い長い試合が今…
「「ゲームセット!!」」
「「ウォン バイ 越前6―1!!」」
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