序章

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作業員の一人がクレーンの操縦席に座り、現場監督の合図と共に、とある民家の清掃作業を始める。 その民家の傍らには家主(K)とその息子の中年男(Y)、作業員10名程が見守っている模様である。 清掃は順調に滑り出したように見えたが、Yがいきなり騒ぎだし「俺とオカンの家に何をする!」と立腹し始め、清掃中の家の中に入りこみ、Kと共に居座った。 ここで何故この二人の家が、わざわざ他人の手を借りてまで清掃されるはめになったかと言うと……とてつもなく汚いゴミ屋敷だからであり、付近の住民の苦情があるにも関わらず、改善の余地がないためである。 周囲は住宅地、人口密度が高い所でこの有り様は皆も耐え難い気持ちは分かると思う。 しかしこの二人はなかなか動かず、作業員を苦しめた。 何故このようなことになったかの経緯はこれから話していく………
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