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「いらっしゃいませ」
店にいたのは綺麗な店員だった。
なかなかの小顔にぱっちりと気の強そうな瞳。
身長は俺にあと僅かで届かないくらいか。
「えっと……クリームチョコレートひとつ」
そう注文する。
本当はバナナもプラスしたかったのだが生憎、財布には500円だけしか入っていなかった。
バナナクリームチョコレートは525円。
非常におしい。
今ほど消費税を恨む時はなかった……
そんな事をブツブツと考えているとクレープが出来上がる。
クレープを片手にさっきのベンチに戻ろうとすると……
「マジかよ……」
ベンチには1人の少女が座ってクレープを食べていた。
やたらと長い少し栗色の髪。
全体的に小柄で可愛らしい顔。
ミニスカートからはスラッとした脚が伸びている。
そして食べているのはバナナクリームチョコレート。
俺の手にはクリームチョコレート。
……ちくしょう。
何だか無性に悔しい。
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