日常篇①

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「いらっしゃいませ」 店にいたのは綺麗な店員だった。 なかなかの小顔にぱっちりと気の強そうな瞳。 身長は俺にあと僅かで届かないくらいか。 「えっと……クリームチョコレートひとつ」 そう注文する。 本当はバナナもプラスしたかったのだが生憎、財布には500円だけしか入っていなかった。 バナナクリームチョコレートは525円。 非常におしい。 今ほど消費税を恨む時はなかった…… そんな事をブツブツと考えているとクレープが出来上がる。 クレープを片手にさっきのベンチに戻ろうとすると…… 「マジかよ……」 ベンチには1人の少女が座ってクレープを食べていた。 やたらと長い少し栗色の髪。 全体的に小柄で可愛らしい顔。 ミニスカートからはスラッとした脚が伸びている。 そして食べているのはバナナクリームチョコレート。 俺の手にはクリームチョコレート。 ……ちくしょう。 何だか無性に悔しい。image=334622338.jpg
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