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「だったらほら、おでこ出せって」
「だ、だから大丈夫ってんだろうが!!」
何度手を伸ばしても、ギリギリで全てを避ける綾。しかし、その顔はどう見ても大丈夫そうには見えない。なんか湯気とか出そうだな。
「おい綾……熱でちょっと頭おかしくなってるんじゃないか?良かったら一緒に保健室連れてってやるぞ?」
あまりの綾の異常さに、俺は心配しつつそう聞いた。
すると……綾からは衝撃の返答が返ってくる。
「ほ、保健室!!?あんたこんな時間から俺の身体に何するつもりだ!!」
教室が静まり返った。
数は半数以下だが、誰もが俺達の方をじいっと見ている。そして、何人かの女子が何故か軽く頬を赤く染めているのが気になった。そして、コソコソ話が始まる。
「おい!今!」
「流石は戌威、ついに潤江田さんまでオトしたか」
「あーあ、潤江田さん結構タイプだったのに」
「戌威君……やっぱレベル高いよねー」
「天条猿に潤江田か……まさに両手に花だな」
「はぁ……どんどん戌威君が離れていっちゃう」
「戌威君モテるもんね」
「畜生!羨ましいが、釣り合うのがムカつく」
……今、何がどうなってんの?
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