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「くぅちゃん。やっぱりここも…。」
「あぁ…悲しい現実だな。」
孤児達が俺達に恵を求める目をしている。
正直心が痛んだ。
が、孤児に食べ物をあげるほど余裕がない。
矩瑠雛はそのまま立ち去ろうとした。
「僕…なにが欲しいの?」
葵が子供達に近付いて聞いた。
「葵!!」
グイッと葵の腕を掴み孤児達から離れる。
「痛い。何するの?」
「葵…。今何しようとした。」
「決まってるでしょ!あの子に食べ物を分けて……。」
「大バカ野郎ー!!」
矩瑠雛はかなり大きい声で怒鳴った。
突然怒鳴られて葵はびくついた。
「俺達だって食べ物は必要なんだ。分けてやれる量なんてないんだぞ!」
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