不等式 僕<しすたー

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「お、お兄ちゃん…?」   翔輝が見事にぽかんとしている。 近くにいたクラスメートの何人かも異様な空気を察してこちらを伺っているようだ。   「久しぶりだね、マイしすたー。」   「本当に久しぶり。久しぶりすぎてうっかりポケットのボールペンで刺しそうなんだけど、それくらいは兄妹だし許してくれるよね?」   「親しき仲にも礼儀ありって言葉があってだなマイしすたー。」   そうだ落ち着け僕。   「さっきからマイしすたーマイしすたーってなに?私にはちゃんと名前があるのですが。」   「それは失礼。前に一度お会いした事があったのにも関わらずとんだご無礼を。」   「……あなたの家で待ってるわね。」   そう小声で僕に呟くと再び廊下へと消えていった。   「つまり場所は割れてると。」 一人ごちてみた。
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