不等式 僕<しすたー

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「…わかった。」 「そうか、分かってくれた 「やっぱりここに住む。」 「はい?」 全然分かってくれなかったようだ。 これはこれでかなり泣けてくる。 「そして、お兄ちゃんを解放してあげる。」 自己嫌悪から? なら尚更帰って頂きたいところである。 「そして………必ず私を好きにさせてみる。」 「…は?」 もう意味が分からない。 「私の事を好きになれば、お兄ちゃんは私を恨んだりしなくてよくなるはず。そうすれば、自分に嫌悪感を抱いたりしなくなるはずだよ。」 つまり僕が刹那を好きになれば、妹を恨む自分に自己嫌悪したりしなくて済み、結果的に僕が刹那から解放されると。 理屈は分かるがこれはかなり…… 「非道徳的すぎるだろ……実の妹だぞ……むしろ妹を好きになった変態な自分に嫌になるわ。」 「好きになればそんな事考えなくなるよ。」
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