不等式 僕<しすたー

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「もっとこう…何か現実的で割の良い話はないんですかね。」 「そんな選択ばっかしてきたから今がこうなんじゃないの?」 「ごもっともで。」 「だから私はここに住む。決めた。絶対帰らない。」 こうなったら刹那は梃子でも動かない。 諦めるしかないのだろう。 「分かった…諦める。」 「諦めるんじゃなくて、これは前進なんだよお兄ちゃん。」 「変態への道か。」 「そんな事言ったらお兄ちゃんが好きな私はどうなるの?」 「THE・変態じゃないか。」 「人をシンプル2000シリーズみたいに呼ばないでよ。」 こうなったらポジティブに考えていくしかないだろう。 いつまでも妹から逃げていくのは人としてみっともないのは確かだったし。 向き合わなきゃならないのだ。 無論、僕はまだ彼女が嫌いだ。 嫌いというより、苦手の方が的を射ているか。 だが人は変わらなきゃいけない。 これはリハビリ。 臆病で小さくなった心のリハビリなのだ。 そう決意して妹を顔をちらっと見たら、ほんの少し可愛いと思えなくもなかったので、これは良い事だと思い込んで心の涙を飲んだのだった。 こうして、妹からの逃走劇は僅か一年で幕を閉じ、代わりに闘争劇が静かに幕を開いたのだった。        しすたータイム
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