悪夢 しすたー

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お兄ちゃん起きて! 遅刻しちゃうよ! ……起きないんなら…その……しちゃうよ… いいの? それじゃぁ遠慮な   バシンッ!!   親の仇が如く僕はベッドの中からその声の主をぶん殴った。   勘違いしないで貰いたいのが、僕は別に自分を起こしにきてくれた妹をぶん殴って沈黙させたのではない、という事だ。 確かに妹は苦手だが、別にぶん殴ったりするほど憎んではいないし僕は外道でもない。   僕がぶん殴ったのは目覚ましである。 殴られた目覚ましはきりもみ回転をしながら一度壁にぶち当たり、更に弧を描きながら床へとヘッドスライディングを決めている。   ……目覚ましってどっちが頭なんだろ。   朝一から下らない事を考えて僕は体を起こす。 実家にいたときの朝の恐怖を再現することで自身の緊張感を高め、寝坊を防ぐために購入したこの「妹目覚まし」だが、緊張感を超越して不愉快の域に昇華しようとしてるので脳内略式法廷で次回の処刑日(別名、ゴミ出しの日)での廃棄が決定した。 軍上層部の決定は絶対である。南無。
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