978人が本棚に入れています
本棚に追加
いつまでも下らない妄想をしていても仕方ないので、僕は本格的に起き上がって顔を洗いに洗面所へ行く。
朝食にパンを一切れ食べ、歯を磨いてから制服に着替え身だしなみを整えたら学校へ向かう。
今日は4月8日
そう、新学期である。
学校はそれほど遠くないのでいつも徒歩で向かう。
自転車を使えばより早くなりそうだが、僕はこの道がなんとなくお気に入りなので毎日歩いているのだ。
「あれから一年か、早いな。」
そう一人呟いてみる。
「よっ、なに新学期の朝っぱらから暗い顔してんだ。そんなんじゃあ、道でぶつかった美少女が実は今年入学した後輩で学校でばったり会って、その瞬間、いきなり巨大モンスターが現れ、その美少女とモンスターの戦闘に巻き込まれる...なんてイベントも起ころうにも起こらないぜ?」
「序盤までラブコメかと思ってたら学園バトルものかよ。多分、世界中の幸せは僕の元にありますってくらい晴れやかな顔つきで歩いてたってそんなイベントには遭遇しないし、万が一遭遇しても僕はお前を差し出して逃げるよ。その場合、主人公はお前だよ翔輝―しょうき―。良かったな。」
「マジか!よっしゃあ!」
最初のコメントを投稿しよう!