携帯

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「奈美ちゃん呼べばぁ?」 あたしは笑いながら言った。 あたしよりかわいい子の方が良いじゃん。 「はっ?!!今メールしてねーだろ!?」 今は…なんて問題じゃない。 「そんなの関係ないよ、あたしに今言ってる事奈美ちゃんにも言ったんでしょぉ? いーじゃん? 奈美ちゃんに言ってれば? 他の子に言ってる言葉なんて聞きたくないね」 言われたくない…… 同じ言葉なんか… あたしの気持ちなんて分かってないじゃん。 「悪かった…って…忘れてたんだよ…」 「だから、別にいいんじゃなぁい?あたし達、別れようよ」 「別れない!!!」 「……ッあたしはイノッチの何?」 「彼女だよ…!?」 「本当に彼女なんて思ってるワケ?嫌いとか言う割にはぁ?保護してる位だもん…信用出来ないよね~だからバイバイ」 あたしは玄関に向かった。 彼も一緒に来てあたしを引き止めた。 気持ちは変わらない。 「離してよ…ウソ付き……」 「俺が好きなのはお前だけだよ…?ごめ…ん…ゥッ…」 猪瀬が泣いた。 そして それはあたしが初めて見た猪瀬の泣いてる顔だった。 「分かった、もういいよ…今日は帰らないから寝れば?」
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