恋を手伝う黒猫?

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「今日こそ僕の気持ちを……」 桜の花弁が綺麗に舞い落ちる四月のある日。 一人の男が机の上に置かれている手紙を見ながら呟く。 机の上の手紙には白い封筒に小さく、宛先のところにこう書かれていた――《千早静さんへ》と。 男の名は小山晃、今年高校二年生に上がったばかりの身長が平均よりも低い青年。 髪の色は少し茶色気味、顔は二・三歳くらい低く見られるほどの童顔。 みんなからは弟のように可愛がられている――ある人物達を除いては。 ついでだからここで晃が手紙を出そうとしている相手――、千早静という人物のことも少し説明しておこう。 髪の毛は腰まであるロングでインテリの眼鏡をかけている。 性格はクールというか親しい友達ともあまり話さないくらいの無口。 そして学園の五花――花言葉で冷静を持つ朝顔(紫)と通称がついている。 この五花というのは二年生のある五人の女子達のことを指さす言葉。 五人とも他の女生徒達よりも一つ浮いているほど綺麗だということからこの名前がついた。 詳しいことはまた後にでも説明するとしよう。
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