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男に話しかけてたのかもしれない。奈美も真澄も、目を見開いて三人で見合った。
「声を掛けてた男にやられたかもしれない」
「ねぇ、奈美? ここに向かうまで、いや、この近くに格好いい男の人いた!? 美保が声掛けてそうな人!」
「……待って、いた気もする。でも、思い出せない。ちょっと考えさせて」
私たちの目的である、彼氏作り。日頃から行う男への接触。見た目が良くない私たちは、なかなか相手にしてもらえない。引っ込み思案な私は、余計に話すのが苦手で、いつも途中で逃げられてしまう。しかし、美保はしつこいくらい話し掛ける。私は羨ましかったのだが、それが仇になったのだろうか。
「でも、少しは手掛かりはあったね。判った事は、美保は話しかけてる最中にここまで連れてこられ、殺された。その可能性が高い。って、事で」
「近道は今まで通りに男に声を掛ける。それで良いかしら?」
強い意志を灯した眼光に、三人は頷いた。
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