されど彼は立ち止まらず

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 パトカーでは目立つと言うことで、刑事さんはタクシーで渋谷署まで乗せてくれた。着いてからも話はするものの、内容は覚えてない。  警察にはある程度の情報を伝えた。勿論、警察は現場検証から目撃情報も怠らず、小さな事でも集めると言っていた。白昼堂々と人通りの多い場所での事件だ。私も内心、すぐ見つかると思っている。警察より司法検死が行われるみたいだが、解剖はされずに済みそうだと教えてくれた。  自宅に戻る途中、裕里子と真澄に事の詳細を連絡し、今夜集まる約束をした。    ――いつもの様に四人で集まる事は二度と無い。 「奈美、私許せないよ。なんで、美保が……なんで美保が殺されなきゃいけないのよ! 私達……」 「……幸せになろうって、ね。約束したのにね」 「真澄、裕里子。警察に話してきたわ。出来るだけ協力しよう」 「信用出来るの?」
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