彼女の思い、リコリスに託して

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少女は知っていた 自分が消される事を だから、自ら神の槍に 刺さった 神の前では 抗っても無意味 ここで逃げても 違う刺客が来るから 私は、只、存在したかっただけ それを許さない 彼女は 『神様』にはなれない 彼女は 失敗作 だから、 一輪の花になった リコリスと云う 真っ赤な花に リコリス 花言葉は「悲しい思い出」もう こんな思いはしたくない だから、 『俺には出来すぎたシナリオだったよ』と すれ違いは、死を意味する しかし 死によって刻まれるものもある 青年は リコリスの死を通して 連星の軌道がずれ 死んだ 女の子もまた 青年の死を通して 彼に出会った リコリス 二度と墓に行けない時に咲く 少女は 終わりを探していた それが 望まぬ結末だとしても
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