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「貴久先輩…」
愛は段取り通り宝石を見えやすいように、少しずつポーズをとる。
「なんだか本当に要先輩みたいです」
ポーズを決める度に歓声が沸き上がり、値段を言い合う声が飛び交う。
会場は一気にヒートアップ。
「俺が本気出したら…要なんか目じゃないよ」
愛と俺の話し声なんて客には聞こえない。皆競り落とすのに必死だからだ。
「なんか…今無性に先輩に抱きつきたい気持ちです」
「俺に欲情した?」
「っ…かも…です」
愛が照れたようにはにかむ。メイクで顔の色は変わらないけど。
「しまったな」
「?」
そんな色っぽい表情をステージでさせるんじゃなかった。
俺が欲情したし
他の奴に見せたくなかった。
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