21464人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうして」
俺は目を見開いたまま愛を見る。愛は口紅をした唇を小さく開いた。
「私がステージで言った事…覚えてますか？」
「え？」
『なんか…今無性に先輩に抱きつきたい気持ちです』
『俺に欲情した？』
『っ…かも…です』
「あ」
俺が思い出した事が分かった愛は、俺の首に腕を回して抱きついた。
「貴久先輩…私を…先輩だけのものにして下さい」
「愛…でも」
俺はこの状況に動揺しまくり、愛を離して無意識に後退りをする。
「女の子は一掃したんですよね？」
「そうだけど…でも」
愛はゆっくり俺に近付く。後退りをした足の踵は、コンッとベッドにぶつかって止まった。
最初のコメントを投稿しよう！