第一章 「遺跡」
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「第一パスコード……っと」 青年は素早く暗証番号を打ち込む。 「来た事あるの? 此処?」 女性が尋ねると青年は横に首を振って答える。 「来た事無いのに、パス……何とかとか分かるんだ」 如何やら、この少女、聞いていないようでちゃんと聞いていたようだ。 「分かるんだよ。パスは何処も一緒だからな。……氷華」 青年は最後に女性の名前を呟く。 その名前は、風に乗って流れていってしまった。
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